キャリアが無くても全然大丈夫
ジャニーズ問題を皮切りに、宝塚歌劇団、野球選手のパワハラなどの問題が連日ニュースになっています。
これらを見て、感じるのはやはり時代の変化です。
昔ながらの上下関係はこれからますます消失していくでしょう。
キャリアに関係なく輝く人は輝き、ただキャリアだけが長い人はどんどん追いやられていきます。
これは治療の世界においても同じです。
ベテラン、新人にかかわらず、熱心でフレッシュな先生が活躍します。
時代が変化することで患者様の症状も変わりました。
私達の暮らしは、大半が力仕事だったことが、今ではパソコン仕事や細かな神経を使うことにとって変わっています。
私が以前、勤めていたサロンでは、午前中は高齢者や主婦層が多く、午後は夕方から夜にかけて仕事帰りの働き盛りの人が多かった。
東洋医学の陰陽に当てはめると、 前者が陰の時間帯。
後者は陽の時間帯です。
それに伴って、 陰の時間帯には、膝痛や偏頭痛、更年期症状などが多いですし、陽の時間帯には、仕事による肩こりからくる緊張性頭痛、腰痛などが多い。
患者様を枠に当てはめて考えていくのは本来好ましいことではありません。
しかし、このような心づもりを持っておくと治療が上手く運ぶのも事実です。
さて、皆さんは陰の施術と、陽の施術とどちらが難しいと思われますか。
偏頭痛と緊張性頭痛とはどちらの治療が難しいか。
膝痛と肩こりとはどちらの治療が難しいか。
圧倒的に前者ではないでしょうか。
陰は隠れた根っこの部分で、陽は太陽を受ける枝葉の部分。
陰は本音で、陽はたてまえ。
つまり、陰の方がわかりづらいのです。
日本は高度成長の陽の時代から陰の時代となり随分と経ちます。
スパルタやパワハラのような陽の教育では人は育たない時代です。
私達は、楽しい時は疲れを知らず、家に帰って落ち着いてから疲れや痛みがどっと出ます。
つまり、陽の時はハイになっていて気がつかないことでも陰になって落ち着くとわかる。
ということは、私達は陰の時に“敏感”になる、ということ。
現代では、昔はあまり見られなかった花粉症やアレルギー症状などがどんどん増えています。
最近では、柔軟剤の香りにも敏感に反応して発作が出てしまう子どももいるくらいです。
もうお気付きかと思います。
時代が陰になるにつれ、人々の身体が過敏になっていっているのです。
身体だけではありません。
心も感じやすくなってきています。
だから皆、心が繊細で優しい。
したがって、昔の教育でみられた厳しさに耐えることができません。
心のトラブルが多くなります。
来院される患者様の症状はますます複雑で見えにくくなっています。
これらのことは陰の性質であることから隠れやすく、表面上では従来の肩こりや腰痛、頭痛という顔をして来院されます。
これを治療家はさりげなく見抜かなければいけません。
難しい症状の患者様が来た。 どうすればいいんだろう。 私に治療できるのだろうか。 でもなんとかしてあげたい。 観察しよう。 新しい目でもう一度見よう。 勉強しよう。 本を読もう。
そんなふうに患者様に寄り添い、熱心になれる治療家のところへ患者様は頼ってやって来ます。
キャリアはどんどん関係なくなります。
ベテランの治療家でも経験したことのない症状がこれからどんどん増えてくるからです。
逆に、初学者でも謙虚さが無ければどんどん脱落しますし、ベテランでもフレッシュさに溢れる人は輝き続けます。
これから、ベテランをどんどん追い越して活躍するフレッシュな人が世にたくさん出現するでしょう。
キャリアが無くても全然大丈夫。
あなたが子どもの頃から大切に考えていたこと、 素直さ、優しさがそのまま活かせる時代なのです。
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