お子様の治療について
今回はお子様の治療について。
よろしければお付き合いください。
さて、東洋医学には、「気」という考え方があります。
「気」は、生命エネルギーとなり、私達の心身を動かしたり、守ったりしています。
「気」は巡っているのが健康な状態。
しかし、その量が増えたり減ったり、または停滞してしまうと病になる、と考えます。
気虚、気脱、気滞、気逆、、など。
私達の暮らしの中でも、元気がない、覇気がない、あるいは、気が多い、気が散る、などというと、ちょっと注意しなくてはいけない状況ではないでしょうか。
ある小さなお子様がいたとします。
その子の「気」を貯蓄するタンクの容量は「10」です。いつも「10」の「気」を使っていつも生命をやりくりしています。
ところが、ある時、容量が「12」に増えてしまった。ここのところ、たくさんのお友達と接したり、お楽しみのイベントがあったり、環境の変化やアクシデントがあったり。
そんなことが重なったせいか、お子様は興奮状態。「気」がいっぱいいっぱいになってしまったのです。
すると、その小さな身体だけでは「気」を処理しきれなくなり、余剰分の「2」をなんとか外に出そうとします。
それが、夜泣き、発熱、多弁、癇癪、肌に湿疹、などという症状として現れます。
そんな時、治療はその余剰分「2」を取り除こう、抑え込もう、と考えるのが通例でしょう。
数式にしてみると、
12-2=10
余剰分の「2」をマイナスする。
実は、これが現代の医学の考え方です。
では、東洋医学ではどう考えるのでしょうか。
東洋医学では、
12+(-2)=10
という考え方をします。
何が違うのでしょうか。
一見、どちらも「10」へと導いていますが、そのプロセスは大きく異なります。
前者は取り除き、後者は補っています。
これを東洋医学では「陰を補う」といい、私はこれこそが東洋医学の良さだと考えています。
例えば、子どもの寝かしつけの時間に、子守唄を歌ったり、絵本を読んだりすると子どもは安心して眠りにつきます。
これも、「陰を補う」ことであり、立派な「精神治療」になっているのです。
では、指圧では、どこのツボにアプローチすればいいのでしょうか。
よく使用されるのは、背中の身柱(しんちゅう)、命門(めいもん)です。
しかし、私の経験からお話しすると、私はツボはどこでもいい、ツボにこだわることはない、と考えています。
鍼やお灸にこだわることもない。
背中でもいいし、お腹でも、手足でも、冷えているところでも、痛がっているところでも。服の上からで大丈夫です。
とにかく、お子様が心から安心できるような方法でまずは手を当ててあげることです。
大切なのは、はみ出した「2」を押さえつけるのではなく、「-2」を補ってあげる。
このように考えることができるのとできないのとでは結果が大きく変わるのです。
ああ、この子、いっぱいいっぱいになっているな、、興奮気味になっているな、、そう感じたら、数式を「マイナス」にするだけじゃなく「プラス」にしてあげる方法もあることをぜひ知って頂けたら。
参考にして頂ければ幸いです。
0コメント