めぐらない水~水滞~

“先生、最近胃がおかしいの。

歩くとチャポチャポと音がするんです。”と患者様。


どうやら東洋医学でいう “胃内停水(いないていすい)”の症状のようでした。

水滞(すいたい)という現象の一つで、胃の機能が失調し、内容物を腸に送り出すことができず、胃の中で水分や空気が貯溜してしまうことをそう呼びます。


その患者様は、頭痛、食欲不振、胃の不快感、腰の重だるさ、心の不安も抱えていました。

そこで、私は次のことを患者様にお願いしました。 


適切な水分摂取(摂りすぎないように)。 

足を冷やさないようにする。

歩く時にできるだけ下腹部に力を入れるように意識する。


すると、その一週間後、ありがたいことに予後が良好であるご報告を頂き、なんとか事なきを得ました。


さて、近年、巷では “水分をこまめに摂りましょう。” というフレーズがよく使われます。

これだけ熱中症の被害が増えているので無理もないでしょう。 

しかし、東洋医学の視点からすると、水分は摂れば摂っただけいいのかというと、どうやらそうではなさそうです。


東洋医学では、体の余分な水分を様々な不調の原因として重くとらえることが少なくありません。


湿邪(しつじゃ)

湿熱(しつねつ)

痰湿(たんしつ)

脾気虚(ひききょ)


これらは、すべて気血水のうちの水が深く関係している言葉です。 


お腹のおへその少し上には“水分(すいぶん)”という名のツボもあります。


漢方薬では、


五苓散(ごれいさん) 

小青竜湯(しょうせいりゅうとう) 

六君子湯(りっくんしとう) 

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう) 


などはすべて体の中の水はけを良くする薬として知られています。


水は“巡る身体”にとっては良薬ですが、“巡らない身体”にとっては水毒(すいどく)となります。


ところで、皆さんはご自身の舌をまじまじと見たことがありますでしょうか。 

もし、舌がむくんで側面に歯型がついていたり、表面に白い苔が分厚く張り付いているようであれば、、概ね胃もむくんでいます。


そこにさらに水分摂取をすれば、ただでさえじゅくじゅくしている地面にさらに雨が降り続くようなもの。


そして、余分な水が行き場を失い、頭の方にいけば頭痛、めまい。

関節にいけば、関節痛。 

腰にいけば腰の重だるさ、月経のトラブル。 

足にいけば足のむくみになります。


西洋医学の視点から見ても、


副鼻腔炎や花粉症などの鼻水も水ですし、

緑内障も眼圧上昇は眼房水という水の滞り。

メニエルも内リンパ水腫という三半規管のむくみですし、

卵巣嚢腫、卵管留水腫も水が貯溜することで起きます。


参考にして頂けたら幸いです。 

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